先日、カシオペア仙台の復路が運行され、いよいよ2週間後のカシオペアが最後となる。
東京周辺の最も混雑している区間には足を運んでいないが、駅や沿線で見かけるテツの数は明らかに増えており、その盛り上がりからも終焉が間近に迫っていることを実感する。
今回は、5月第3週に運転された初回のカシオペア秋田からの一枚である。
羽越本線経由の運行が発表された際には、雲一つない晴天の下、真っ青な日本海や残雪を抱く鳥海山をバックに走る姿を思い描いていた。
かつての名撮影地にて、ブルートレインのvカットに思いを馳せながら、シャッターを切る光景を想像していた。
しかし!!
現実はそう甘くなかった。
初回も2回目も、カシオペア秋田は、いずれも天候には悩まされることとなった。
この日も羽越本線沿線は雨予報であり、鳥海山どころか太陽さえ拝むのは難しい状況であった。
残念ではあるが、天気ばかりはどうにもならない。
そうと決まれば、追っかけ一発目の撮影地として選んだのは、小波渡のトンネル飛び出し。
福島からレンタカーを借り、下道をひたすら走って現地に到着したのは、通過の20分ほど前であった。
天気が芳しくないだけに、撮影地には20人ほどが集まり、そこそこ賑わっていた。
急行津軽の12系返却回送を撮影して以来、約6年ぶりの訪問であり、再びこの場所に立てたことに感無量である。
どうやらカシオペアは10分ほど遅れているようである。
ゆとりをもって機材を構え、本番を待つ。
通過時刻が迫る頃、気温が下がってきたのか、一つ奥のトンネルの出口付近に霧が立ち込め始めた。
イメージしていたような、湿度感のある一枚が狙えるのではと、期待が高まる。
やがて、列車が奥のトンネルに進入した気配を感じると、トンネル内の空気とともに霧が押し出され、出口付近の霧が一層濃くなった。
そして、白いベールに包まれるように姿を現した列車は、刹那の明かり区間に差し掛かり、行く先のトンネルをやわらかく照らし出した。
2025年6月17日 公開