初めてカシオペアを見たのはいつの頃だっただろう。
思い返そうとしても、10年以上前の記憶をたどるのはなかなか難しい。
牽引機がカシオペア塗装のEF81だった頃、親に付き添ってもらい、高架化工事の真っ只中だった地元の駅で見たような⸺そんな記憶があるような、ないような……。
同じ時期、EF81牽引の北斗星をコンデジで動画撮影していたことは覚えている。
でも、カシオペアの方はどうにも記憶が曖昧だ。
もしかすると、カシ釜牽引時代のカシオペアは実際には見ていなかったのかもしれない。
思い出を都合よく書き換えても仕方がないので、ここは正直に書いておこう(笑)
それはともかく、青い車体の寝台特急たちが昭和から続く“生き残り”といった印象だったのに対し、
鮮やかな塗装をまとったカシ釜と、全車A寝台のシルバーの客車による編成は、
「新しい時代の寝台特急」という印象を、確かに持っていたのを覚えている。
年月は流れ、牽引機が変わり、一般運行が終了し、そしていよいよ団体列車としての運行も終わろうとしている。
ラスト直前、2週間前に運行されたカシオペア仙台行は、ほとんど追っかけはせず、宮城県内で軽く撮影することにした。
大河原での停車を挟んだ2発目、有名撮影地の槻木〜岩沼付近へと向かう。
踏切待ちをしていると、近くにお見送りに来た家族連れの姿があった。
もともと別の撮影地へ移動する予定だったが、声をかけて撮らせてもらうことにした。
先行の貨物列車が通過し、いよいよ本番。
ここ最近のカシオペアではおなじみの不安定な空模様だったが、このときは運よく日差しが差し込んだ。
時代が変わっても、カシオペアは変わらず多くの人に愛されてきた。
子供たちにとって、カシオペアとの出会いはほんの一瞬のことだったかもしれない。
けれど、特別な列車を見送ったこの日の記憶は、きっと心のどこかに残り続けるだろう。
かつての私もそうだったように⸺
カメラを手に、真剣なまなざしで列車を見つめるその姿から、そんな未来をふと想像した。
2025年6月29日 公開